雑記

『四季 冬』にて意味不明だった語句に立ち向かう

森博嗣先生の四季シリーズを読んでいた。S&MシリーズとVシリーズを読んでいたので、四季シリーズで美しく収束していく物語に感動したのだが、それについては一旦置いておこう。

問題は『四季 冬』である。

内容についてはここでは取り上げないが、第3章「赤い部屋」にこんな記述がある。

近衛兵や軍隊の行進がこの浅瀬で行われたら、水が跳ね上がるだろう。山村の炭焼きの窯の近く、断層に現れる海の生物の化石。下に膨らんだ回転体のグラスに透過・反射する四角い窓の映像をトレース。細胞のフラクタルと、リレィベースユニットの二重継承。四次元螺旋の投影による擬似構造の相転移。電磁誘起のまだ見つかっていない最後の関連要因。闇の中をスパイラル飛行する蝙蝠が見る超音波映像。長鎖分子アクチュエータのフラッタ問題。色素増感センサの高次安定化。DNAチップの光隔離。ニューロンエレクトロニクスの終末。カーボンナノコイルサスペションによる人工微生物。知能創生とその器となるポーラスカーボンストラクチャの応用。メゾコンプレックス金属。遺伝子スイッチの寿命判断アルゴリズム。プレカーサ被膜の処理とその識別。超誘電メモリィの普及。バイオセラミクスの復活。炭酸固着からの撤退。増核プロセッシングの展望。コヒーレント電子加工の実践。

出典:森博嗣『四季 冬』(講談社文庫・2006年)

何書いてるのか、一ミリもわからない!!!!!!私、小説を読んでいたはずなのに!目が!目が滑る!!と、初めて読んでびっくりしました。

三つ目の文まではまだいいでしょう。「細胞のフラクタル〜」以降についてはもう、もう!ただでさえ文系なのに!

でもせっかくこんなに知らない語句がいっぱいあるのだから、できる範囲で調べてみたい!と思ったのです。調べて理解できるかどうかはわかりませんが、楽しいのでやりましょう。

【Part1】細胞のフラクタルと、リレィベースユニットの二重継承

一文ずつ見ていこうと思ってはいるが、こちらは読点で区切られているので別々に考えてみようと思う。

細胞のフラクタル

細胞のフラクタルというのは、他のに比べれば簡単な単語だろう。フラクタル構造という語句は聞いたことがある。私が仕入れた知識では入れ子構造と呼ばれていた。FXや株の勉強をしていると、チャートを読み込むために色々な勉強をするが、その中にエリオット波動理論というものがある。それによると、チャートは同様の波の形を繰り返しており、その波の形は入れ子構造になっている。余談になってしまったのでこれぐらいにしておこう。

フラクタルについては、私が敬愛してやまない「QuizKnock(@QuizKnock)」さんの記事を発見したので、こちらを読んでもらった方がわかりやすいだろう。

QuizKnock「頭がボーっとしてくるフラクタル図形を見よう」(http://quizknock.com/fractal/)

つまり、フラクタルとは自己相似のことで、図形であるならば一部と全部が自己相似になっている、それがフラクタルだ!ということでいいのかしら。

そして自己相似という言葉を簡単に説明すると、

自己相似 (じこそうじ; self-similar) とは、何らかの意味で全体と部分とが相似であることをさす言葉である。

出典:Wikipedia『自己相似』(https://ja.wikipedia.org/wiki/自己相似)

ということらしい。

こうやって意味をとってまとめてみると、細胞のフラクタルという言葉から、細胞が同じ形でどんどん繰り返されていくようなイメージを想起することができる。もちろん私の主観のイメージも加わるが、小説のなかの一文なので、ふわっと脳内で視覚化できれば良しとする。

リレィベースユニットの二重継承

こちらはちょっと複雑なようだ。そういう時は!分解!

リレィベースユニット

この記事では調べ物の初動として、Googleでweb検索をしています。何に関連する言葉なのかがわかれば本を探すこともできるかもしれないけれど、もちろん時間もかかるし、軽くでいいから理解したい!というのがこの記事の目的でもあるので。で、Googleで検索するときに何が気になるかというと表記揺れだ。森先生のカタカナ英語の表記は特殊だし。

ということでまずは「リレィベースユニット」で検索。上位は森先生の「四季 冬」を読んだ方の感想。他には照明器具、楽器のベースについてといったページが表示されるようだ。ジャンルにばらつきがあるので、こちらの表記は保留。

そのあと「リレーベースユニット」「リレーユニット」「ベースユニット」のそれぞれで検索をかけてみると、おおむね電機メーカーのサイトで、制御機器の商品のページに当たった。

専門ではないので全くわからないが、「リレィベースユニット」は《物体として存在》していて《なにか制御するための機器》ということが推測される。

二重継承

二重継承という言葉を完全一致検索で探すと「二重相続理論」が上位を占めていることがわかる。ということはこれのことかしら?ちょっと、私には、判断が…(´;ω;`)

まあこの理論面白そうだったし、これでいっか!(適当)面白ければいいのよ!私は楽しむために書いてるんだから!

ということでまずはWikipedia先生の引用から。

二重相続理論(にじゅうそうぞくりろん、dual inheritance theory、略称:DIT)あるいは二重継承理論は、人間を生物学的な進化と文化的な進化の間の相互作用の産物として捉えていく見方。「文化的な特性が生物学的な特性に優先する」といった見方と対比され1970年代から1980年代にかけて提唱された。二重相続理論では文化の伝播や発展は、遺伝的な特性によって影響・束縛を受けているとし(遺伝→文化への影響)、また文化の状態が淘汰圧として遺伝的な特性に影響を及ぼしていると考える(文化→遺伝)。そしてこの両方の相互作用の結果として、人類を捉えていく。すなわち遺伝的な階層とミーム(仮想的な文化的情報の単位)のような高次の階層との間で織り成される、一種の共進化を仮定する。これは学際的な分野であり、進化生物学、心理学、文化人類学といった領域と関わる。

出典:Wikipedia『二重相続理論』(https://ja.wikipedia.org/wiki/二重相続理論

とてもふわっとしかわからない!文化人類学や心理学あたりの言葉だそう。うん、仮にこの理論をふんわりと理解したとして、リレィベースユニットとの関係は!

わからない!!!!!!(´・ω・`)

ただ、二重相続理論面白そうだし、ミームについても気になってた語句だったし、新たな発見があった。

こちらの本が気になるのでいつか読みたい。二重継承説の記載があるみたい。覚書まで。
http://www.hisashinakao.com/philhuevo.html

まとめ

とっても自己満足ですが、調べるのは楽しいので、次の記事では次の文章を調べていこうと思う。うっすらとでも森先生の文章への理解力が上がればいいなという願いを込めて。