文章書きと友人

「文章を書くときにさ、言葉の意味を調べるだろ、なんか良いよな」

「漠然とした話題を振るね」

「この曖昧さを共有したい」

「難しいこと言うね」

「そう、なんか良い、ということは共有しづらいんだ」

「それを言語化するのが文字書きなんじゃないの」

「そんな難しいことできるかよ」

「やってる人もいる」

「表現者って天才だよなぁ」

「きみはなんなの」

「僕は凡人さ」

「それでいいんだ」

「それでいい、それ以上も以下もない、いや凡人以下ではあるかもしれない、理想は透明人間さ」

「そんなドヤられても」

「ある程度の都会でしか生きていけない品種なんだ」

「田舎は人間関係が密な感じするよね」

「話が逸れまくったな、何の話だっけ?」

「忘れた、会話なんてそんなもんだろ」

「ひとりじゃなければ会話が成立するのに」

「ひとりでも成立させるために書いてる」

「誰が話してる?」

「僕だよ」