悲・美・詩

イルカ

はたと、果て
澄んだ空気に色を見る
太陽光の向こうがわ
色が、音が、滲んでいました
水を切って泳ぐ
海の中は孤独
凪いだ風
その隙間で僕は、声を
滲ませようと、思ったんです

スコトーマ

スコトーマ、僕に世界を見せないで
知らなければ欲しくないから
僕は僕だけに集中するべきだ
ああ、でも、裏返し、逆効果
世界はどうしたって僕の前に現れる
いや、僕が、望んでいる
見たい、知りたい、その現実を
僕は受け止めきれるだろうか
そしていつかその先の
本物の世界を見れるだろうか

キオク

粘度の高い時間を手入れして、
お気に入りの形を作り上げるように、
過去の記憶を、
綺麗だと思った瞬間を、
閉じ込めてみたい。

指にあたる感触が、
滑らかで、
花びらの透き通る色を、
焼き付けてみたい。

海の浅瀬で、
下から覗いた空は、
揺れていた。

どうでもいい

現実は消えた
眠い、とても眠い
夢はいつも焦燥感を煽る
どこに行っても幸せになれない?
それは、なんというか
悲観が過ぎる
今持っているもののカタチを
見れるようになった
薄くぼやけていたとしても
見ようと思った
多分、幸せは、そのへんに
浮かんでいる
自分でも綺麗事だって
思う、ね
自分で自分の薄さに傷ついて
放棄して
それでも手放せなくて
ぜんぶ成立させられるほど
強くなれるだろうか
抽象に転がる

どうでもいいって3回言ったら、
どっちに転んだ?

悲しみだと思ったモノ

残念ながら、私は人間でした
でした?
そうでしたか?
そう、人間でした
それは、とても、つらい
事実ですね?
そうですか?
何も知らない
知っているふり
知らないふり
思い込み
想像力の欠如
認知の歪み
現実逃避

破滅的な嫌いに飲み込まれたけれど、
そこに本来の意味はない
また、切り離さなくては

貧弱な妄想にて、
君は生きていられる?

飛ぶ、飛ぶ、飛んで
飛行機
ロケット

さようなら