働き方

ホワイト企業に勤めてたんだが限界だった件

ブラック企業はここ数年でめっきり有名になったが、ホワイト企業とはどんなものだろうか。以前勤めていた会社は零細企業だったけれど、色はホワイトであると私は認識していた。まず残業がない。あっても繁忙期のみで残業手当も存在する。つぎに、人間関係。私はコミュニケーション能力が低い方だけど、人数も少なかったので、みんなそれなりに仲良くしていたと思う。昼休みは基本一人でゆっくりできたし、仕事が激務ということもまったくなく、むしろ少し暇だと思っていた。ついでに、満員電車に揺られることもなかった、と言っておこう。

仕事の内容も割と自分が望んでいたものだった。半分ぐらいは好きなことができていた、と言えるだろう。ただ辞める直前あたりはもう会社勤め自体へのストレスで仕事ができていたのかもよくわからない。自分を保てる瀬戸際のところで辞めたけれど、3年も勤めることなかったな、と後から考えるとそう思う。2年で良かった。

時間に縛られるのが無理だった

会社員は時間に正確であることを求められる。毎日同じ時間に出社する。退社時間は世間的にはばらつきがあるものとされているけれど、私はほぼ同じ時間に退社していた。出勤のために毎日同じ時間に起きる。同じ電車に乗る。同じ時間に起きるためには、必要睡眠時間を確保した時間には寝なければならない。

この時間の制約が死ぬほど嫌になった。特に自分は夜型なので朝起きるのはいつだって苦痛だった。前の会社は勤務開始時間は10時だったけれど。それでも無理だった。不眠っぽい症状もあって、そろそろ寝ないと明日仕事中眠くなる!でも眠れない!と眠れないこと自体にもストレスをためていた。『明日○時に起きなければならない』という呪いにかかっていた。

というかなんで毎日同じタイムスケジュールで行動しなければいけないのか?拷問か?と大多数の会社員の人たちは思わないのだろうか?不思議だ。きっと思っているけど、耐えられるよ!ってことなんだろうな。私は耐えられないけど。

場所に縛られるのが無理だった

前職は常にパソコンの前にいる仕事だった。出張的なものにも3年間で2回ぐらい行ったかもしれないけど、基本は事務所に缶詰。だんだん窮屈になってきて、昼休みは一人で外食するようになった。できるだけ外に居たかったのだ。会社にいたくないがために、稼いだお金を消費するってどうよ?外食1,000円ぐらいするんよ。

当たり前だけど、事務所の場所は変わらない。毎日同じ駅で降りて、多少道順を変えたところで、結局同じ場所にたどり着く。よく使うコンビニも2つぐらいをローテーション。外食もローテーション。こんなところにいつまでもいられない。腐って死んでしまう。そんな気がした。

3年という期間

上にも多少書いたが、前の会社には3年勤めていた。最初の1年間は仕事も変化があるし、会社に行く道にも季節的な変化があって新鮮だった。2年目は一年の流れで仕事を見られるようになって、そういう仕事の仕方を試せるからまだいい。風景に新鮮さを見出すのは非常に難しくなる。3年目は、かなりきつかった。仕事も飽きてしまった。というかメインの仕事はそんなに悪くなかったけれど、サブの仕事が猛烈に嫌になった。主に電話対応とか、メール対応とか。最初の頃はそれなりにやってできていたのだけれど、方々からのストレスで磨耗していたところに、塩を塗り込んでくるような仕事だった。エンドユーザーへの感情労働ほど、二度としたくないものはないな、と確信したほど。

ここまでくると、上司や同僚への感情労働にも嫌気がさしてくる。どうでもいい話題に乗らなければいけないのは苦痛だ。

こうしてコミュニーケーションへの疲弊がたまっていくと、仕事がなくても『なにかすることないですか?』と上司に話しかけることが圧倒的に苦痛になった。喋りかけるのもしんどい、仕事をふられてもしんどい。給料をもらっている以上、仕事はしなければ、でもしんどい。

最後の方はもう思考が働かなくなった。部屋が窮屈で息苦しくなった。たまには同僚と喋ろうか、と口を開けば不満ばかりが半ば無意識に飛び出してきて、あ、これは本格的にまずいぞ、と思ったのだ。

小さい会社

小さい会社だったのも、入ったときには望んでいたのだけれど、結果的にはあまりよくなかったかな、とも思う。循環しないのだ。大きな会社のことは知らないけれど、業務用クーラーでガンガン回しているイメージだとしたら、小さな会社は卓上USB扇風機だろうか。新卒も入らないし、上司といえば社長だし、近づきすぎると、循環どころかどんどん濁っていくものだ。あそこにいるとそう感じられた。

あれが実はほんとの『アットホームな職場』だったのかもしれない。求人広告を出したときには、絶対に書かない方がいいですよ、と忠告した。ブラックの代名詞じゃないか。私から見たらあのアットホームは見せかけでしかなかった気がするけど。見せかけのアットホームとリアルアットホームはどっちが居心地がいいんだろうね?

まとめ的な

長々と書いてきたけれど、実際のところ、私が死ぬほど嫌になってしまったことを、毎日何気なくこなしていく人たちが大多数なのだ。自分がただ、できないだけの人間なのだ。週5日8時間を会社で過ごすなんて私は無理だと思うのだけど、実際のところは8時間ならば良い方なんだろう。

大多数の人たちができていることを私はできない。ポンコツだな。ああ、もう思考も働かないな。何をしてるんだろう?何を目指せばいいんだろう?体力的にも、精神的にも、フルタイム労働に、時間と場所の固定に、ついていけない。ギリギリのところで、ちょうど3年働いたので辞めます、と社長に進言した。転職に理解のある職種なので、『ここではいろいろ勉強させてもらったので、また別のところで職能の幅を広げたいんです』みたいな適当な嘘を並べたと思う。とりあえず何もかもがどうでもよかった。辞めたその日には解放された、と思っていたんじゃないかな。

こうやってポンコツニートは誕生した。