生きてる

「たまにさぁ、自分が生きてるってことにびっくりするよね」

「なにそれ、構ってちゃんなの」

「純粋な疑問なんだけど」

「そういうのを構ってちゃんといいます」

「まぁ聞いてよ、だって驚きだよ、自分が生きてるなんてさ」

「生きてるから生きてるし、しょうがないじゃん」

「そうなんだよ、鋭いね君、しょうがないんだよ」

「しょうがないで片付けるな」

「自分で言ったくせに」

「生きてることを実感したなら良かったんじゃないの」

「それはどうかなぁ、ぼくはまだ生きているというだけだからね」

「めんどくさいな」

「生きてるとか生きてないとかじゃなくて、生きてるんだよ、驚きだろ」

「わかったわかった」

「投げるなよ」

「投げたくなるよ、そんなことより今日の晩ご飯でしょ」

「まあね、君のそういうところ好きだな」

「生きてるなら食え」

「無視だよ」