雑記

虚のつく熟語をせっかくだから覚えたい

森博嗣先生のXシリーズ第三作目『タカイ×タカイ』を読み始めようとしたところ、目次の章タイトルが目に入った。

虚のつく熟語ってこんなにあったのか!と素直に驚いた。語彙、すごい!

虚構、虚飾、虚栄あたりはなんとなく見るし、意味もふわっとしたイメージだけは理解しているつもりだったけど、実際説明してって言われたら出来ないかも、と。全体的に幻っぽいものですかね?って言ってしまうことは確実。そうして、ああ、私はやっぱり何も知らないんだ、って思って残念な気持ちになるところまで想像できる。妄想だけど。

ところで妄想の『妄』の字も、幻っぽいものでは?妄執とか言うよね。『虚』と『妄』の違いってなんだろう?こういう思考をする時はエンドレスに何かを書き続けられる気がする。特に意味はないけど。

話がそれたが、せっかくの(熟語との)出会いを有意義なものにするため、それぞれの熟語の意味を改めて調べて、まとめておきたい!と思った次第である。

調べていく

虚儀

この熟語、おそらく読みは「きょぎ」だろうと、「きょぎ」と打って変換してみると「虚偽」になった。なるほど「きょぎ」読みなら普通そうだよな、と考えたがこちらの思考は保留。今は虚儀なのだ。さっそくgoo国語辞書で検索してみた。

ええー( ゚д゚)ないの?どういうこと??

よくわからなかったので、「虚儀」で検索すると一番上に勝手に翻訳結果が表示されたことから、「虚儀」中国語説を脳内で展開。Google翻訳へ検索フィールドを移動した。

日本語【虚儀】→英語【Emotions】

中国語【虚儀】→英語【Virtual instrument(日本語翻訳で仮想計測器)】

なんか違うよね?違うよね?あれ?一つ目でこんなにわからないとは思わなかったヨ!ちょっとできる範囲でもうちょっと調べるヨ!という感じで調べていたら有力な情報が見つかりました。

「虚儀虚礼」という形で使われる言葉があるらしいと。

ケーベル先生は今日日本を去るはずになっている。しかし先生はもう二、三日まえから東京にはいないだろう。先生は虚儀虚礼をきらう念の強い人である。二十年前大学の招聘に応じてドイツを立つ時にも、先生の気性を知っている友人は一人も停・・・

引用:夏目漱石『ケーベル先生の告別』(青空文庫)

夏目漱石なら大丈夫やろ!という謎の達成感とともに「虚儀虚礼 意味」とグーグル先生に聞いてみた。

「虚礼」ばっかりである。なぜだ。わたしはただ「虚儀」の意味が知りたかっただけなのに…

ついでに「虚礼」の意味はこちら。

うわべばかりで誠意を伴わない礼儀。形式的な礼儀。「虚礼廃止」

出典:goo辞書『虚礼』

虚儀虚礼って使うんだからだいたい同じような意味ってことかな…『礼儀』の『礼』と『儀』をそれぞれ『虚』につけてみたよ!てへぺろ!ぐらいのノリだったのかもしれない。

きっと現代ではほとんど使わない言葉なのだろう、ということがわかった。(´;ω;`)

虚構

虚構はいけるでしょう!

事実ではないことを事実らしくつくり上げること。つくりごと。

文芸作品などで、作者の想像力によって、人物・出来事・場面などを現実であるかのように組み立てること。フィクション。仮構。

出典:goo辞書『虚構』

なるほど!フィクションというのが一番わかりやすい。

虚飾

虚飾…なんとなく聞いたことはあるような、というレベル。

実質を伴わない外見だけの飾り。みえ。「虚飾に満ちた生活」

出典:goo辞書『虚飾』

見栄か!なるほど。それなら見栄って言ってくれよ、というのは野暮ですね。

虚脱

いきなり引用しましょう。

体力を消耗したり、急速な意識障害をきたしたりした状態。失血・中毒・心臓疾患などで血液循環が著しく障害されたために起こる。

体力も気力も失せて、ぼんやりとして何も手につかないようになること。「ショックのあまり虚脱して座り込む」「虚脱感」「虚脱状態」

出典:goo辞書『虚脱』

ショック状態、みたいなことでいいのかな。

虚栄

虚栄心っていうのはよく使われますね。

実質の伴わないうわべだけの栄誉。

「塵世の―を薄んじ、来生の真福を望み」〈中村訳・西国立志編〉

外見を飾って、自分を実質以上に見せようとすること。みえ。「虚栄を張る」

出典:goo辞書『虚栄』

これも見栄だから、虚飾と意味が似ているね。

まとめ

だいたいの意味を取れたので、これで章タイトルを繋げて見ると、

「まずはうわべだけに集い、しかしフィクションの眺め、そして見栄が陰り、またもショックを語り、やがてうわべだけの栄誉は崩れ」

といったところでしょうか。

こうやって書いてしまうとなんの統一感もないので、縦書きで文字数の揃った5つの文章がどれだけ美しいかがわかりますね(´∀`)

本の章タイトルだけでこんなに文章書けるとは思わなかったので、とても楽しかったです。